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ある詩人の死…「清水昶」秘めた思い… 



悲しい事がありました。
人生とはこんなにも早く過ぎて行くのかと
衝撃でした。

つい最近やなせたかしさんの死にショックを受けたばかりでした。
「詩とメルヘン」をある時期よく買ってました。
大切な存在です。

そしてもう一人の、秘かに思いを寄せた詩人の事…
お蕎麦屋さんの事をググっていて
偶然その方のことを書いたブログに出くわしたのです。

ある詩人の死…

清水昶…
2011年5月30日 もう2年以上経ってました。

若かりし頃、遠い日の我が青春…
その頃毎月買っていた「現代詩手帖」で清水昶を知ったのですが、
数ある作品のなか、何故彼に惹かれたのか。
石原吉郎も好きな作品だったように思います。
鈴木志郎康もいたな…
吉増剛造にも惹かれ、その風貌にも文章にも憧れた。
だが清水昶は「好き」という感情だった。
研ぎすまされた繊細な言葉に、そして清水昶の顔に恋したのかもしれない。



 
これをずっと持っていたのですが、どうやら2年前に処分したらしい。



   


銀のように

「ここまできて
男は
銀のように鳴っている」


ある時、清水昶を囲んでの勉強会的なものがあると知り飛び上がるように歓喜した。
多分東中野だったと思うが定かではない。池袋の方だったかもしれないし、もしかしたら大塚とかかもしれない。なんとなくそんな駅に降りた事があるような…。
全く記憶が戻らない。目的の会場なる建物に着くと玄関に男性の大きな靴が溢れていてたじろいだ。40人位いただろうか、和室の畳に男性ばかりが隙間なく座っていて、若き女子にとって、これは場違いな所に来たかと戸惑ったが遅い。
なんとか隙間が空いてたのか詰めてくれて空いたのか、とにかく座る事が出来た。
ほぼ真正面に清水昶が座っていた。
もうどぎまぎである。憧れの詩人が目の前、3m位だろうか、手が届きそうな距離に座っている。
むせるような大人の男たちに息が詰まるようだった。ここはどう言う人たちの集まりだろう…不安が募る。
そんな思いと目の前にいるという事の事実のすごさに圧倒されていたに違いない。
何が話され、何を思ったか皆目覚えてない。
ただ、近づけたけど遠い存在、そう感じていた。
もしかしたら、あとで1杯飲みながら清水さんを囲んで話しましょうなんて事だったかもしれない。
知らない町で駅までの暗い夜道を迷わないで帰れるだろうかと、今と違ってまだまだ東京にも、見知らぬ人々にも奥手の私だった。
聞いてみたい事もあったが、清水昶に会えた、清水昶の声を聞いた、それで満足しようと、終るとすぐ席を立って帰ったのを覚えている。
後で後悔していたから、やはりそんな席を設けてたかもしれない。

その清水さんが吉祥寺のお蕎麦屋さんにちょくちょく顔を出してカウンターで飲んでいたらしい。
残念だ。以前なら結構近かったんだなあ。

『詩彫』という同人誌に誘われて一時的に会員だった事がある。
あの時の主宰者沢田和弘氏(Kくん)は今どうしているんだろう…
彼の家に元家族とお邪魔した事もあった。
その後、手紙だったか電話だったのか元家族の事で悩んでいて相談した事がある。それで手紙をもらった事がある。それが最後になった。

あれから全く音信不通になったけどKくんなら色んな事を話せるし、それにおいしいお酒を飲めそうだなあ…
彼にも清水昶が好きだと言ってなかった。
何故か分からない。
その同人誌に誘ってくれた詩の仲間でもあり、当時うんと親しかった友人にも、その事を、東中野の件も話さなかった。
何故なのか分からない。
結構オープンな性格なのだが、心に秘めたのが分からない。
作品にさ程感銘しなくなってたのか…

今ここで大切な秘密めいた事を晒してしまうことになる。

そして清水昶はもうこの世にいない。

憧れようと、心に秘めようと、
もういないのです。

人生はあっという間の出来事だと知ってしまった。


ご冥福をお祈りします。


『男爵』清水昶 「少年」より

荒れ草だけの口をひらき

歯なみだけが妙に清潔な一九六七年初夏

こわれやすい陶器で熱い沈黙をまえに

怒りにしまる腰を裂きえぬあなたに

なにをあげよう

地下室に墜ちている蝶

薄暗い納屋でひえている水のような愛

ここは純喫茶男爵だから

美しい観念の髭をはやしてわたしは

のど首をつたう欲望をねくたいでしめ

にがい精神をまっすぐ胸中に垂らしている

なにをあげよう

湧きでる唾液にやわらかな言葉は溶け

わずかに裂けるあなたの語り口に透ける夜街ふかく

ゆっくり醒めるわたしは

夢の中心にまで踏み迷い

まっさおな銃口を朝にひらいた銃座にうずくまり

いっせいに顔をあげる日まわりの花芯を狙っている

なにをあげよう


待ち焦がれるのどをおさえ

かがやく飢餓がたちあがる夜

銃声は遠く臓腑に響き

みだれちる死に花のなか

つめたい汗光る首すじを

男爵のようにたてるわたしは

かかえきれぬ熟れに責めぐあなたの

両の乳房のあいだでするどく割れる悲鳴を

聞く






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Comments 5

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チョンプー  

No title

こんにちは
清水昶
まず名前が読めません(チョウ)ですか?
詩とか短歌・俳句は好きですね。短い文章でも感銘を与える。その深さは素晴らしいものがあります。
でも国語の教科書で詩人を知る位でした。これから詩の本も読みたいですね。
carmencさんの、清水昶に対する思いは若き乙女の恋だと思います。人生果敢無く短いものです。許される範囲で好き勝手して幕を閉じたいものです

2013/10/24 (Thu) 11:28 | EDIT | REPLY |   

carmenc  

No title

チョンプーさん、こんにちは~
アキラです。昶と読めましたか。さすがですね。
あの時期は詩にかなりのめり込んでましたが、今は殆ど読みませんね。
アハハ…乙女の恋?アイドルだったのかもしれません。
何故なのか未だに分からないままです。
人生は短いものですね。
許されるって?
自分らしくあり続けられたら、そんな人生を送りたいですね。

2013/10/24 (Thu) 13:25 | EDIT | REPLY |   

carmenc  

No title

0:26amさん、
驚きです。エエ?志郎康さんも剛造さんともですか?
何故に?どうして?どんな?色々お聞きしたいです。
哲男さんはお兄さんですね。FMでパーソナリティしてましたね。
そう、遠い昔、お金がなくても現代詩手帖をどれだけ買い続けた事か…
上から言葉がおりて来たらシャンプーしてる手を止めて水が滴り落ちながら書き留めて、それが一つの詩のスタートになるという… 今思えば感覚で書いてたのではないかと思う訳です。

2014/11/07 (Fri) 05:45 | EDIT | REPLY |   

shindy  

No title

私は清水さんと同時代で詩に触れました。その言葉の喚起する力に圧倒された一人です。あなたのような(多分)お若い方が清水さんに深くかかわることを嬉しく思います。

2016/12/04 (Sun) 21:10 | EDIT | REPLY |   

carmenc  

No title

> shindyさん
初めまして。ようこそ~
多分… は当ってないかもしれません。
もうだいぶ年月を重ねて来ましたので…。
清水さんの詩は瑞々しく、柔らかな魂という印象だったような…
初めて知ったのは70年代初めの頃だと思います。
コメントを残して下さりありがとうございました。
清水昶を知っている方からのコメント、とても嬉しく思います。

2016/12/04 (Sun) 22:17 | EDIT | REPLY |   

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